『ただいまー。』





『おかえり〜。』








キッチンにはエプロンをして眼鏡をかけてにこにこしてるお父さんが立っていた。






『食器洗いは済ませておいたよ。』







『仕事で疲れてるからいいのに。』







『これくらいはしないとね。そういえば今日は珍しく真白くん一緒じゃないんだねぇ。』





『…あ、うん。今日は別々なの。奏、手洗っておいで。』






『はーい!』







私は自分専用のエプロンをして、キッチンに立った。






『珍しいね、和泉と真白くんが別々なんて。』






『…真白彼女で来たっぽいから。私も自立しないとね!』






ご飯を作ってお風呂に入っても、モヤモヤしたままで。






『…今日は寝るね。おやすみ。』







『暖かくして寝るんだよ。おやすみ。』







お父さんは優しく微笑んでくれた。









ベッドに入ったけどどうしても眠れなくて。
ぼーっとしてたら、2時になってた。







ガラガラ。




真白の部屋の窓が開く音がした。







『…こんな時間に帰ってきたんだ。』







真白は昔から部屋に帰ってきたら窓を開ける癖があるから。

すぐにわかる。







『…寝よ。』






静かに目を閉じた。