ガチャっと扉を開ければ!俺の心友がもう、いた。
「はぁ...。」
「朝からすごかったね?見てたよ。」
こいつは榊原結衣。ピンクの髪にピンクの瞳。背はちっちゃい。
「好きな奴ほど苛めたくなるよね!」
結衣の双子の弟の榊原斎。同じ髪と瞳。
「好きでもなんでもねぇよ。」
「好きじゃなかったら会長と同じ学校に行くなんて言わないでしょ。」 
こいつは初音祐樹。ブラウンの髪にブラウンの瞳。背は普通。
こいつらは中学3年の頃から仲良くなって俺が行く高校に付いて来てくれた。
「会長も気があるんじゃない?」
「ねぇよ。ぜってぇに。」
「そんな事より、もうそろそろ校則守ったら?」
「絶対無理。」
「中学とは違うんだからさぁ。...太陽?」
俺は夢長太陽。会長であるアイツの隣の家に住んでる。
髪の毛も金髪にした。瞳と同じ地毛は水色。
ブレザーだけどブレザーなんか着たことない。ズボンだってダボダボ。
カッターシャツもボタン何個か開いてる。
ネクタイもゆるい。
ピアスが片方に開いてる。
「生徒会長なのにあの子も着崩してるよね。」
あいつもスカート短いし長い靴下履いてるしネクタイゆるい。
本当はピアスの穴だって開いてる。
「まぁ、可愛いからね。」
「あぁ?」
「ほら、好きなんじゃん。」
「うるせ。」
「いつもあのピンつけてるよね。ストラップも。」
両方俺が小さい頃あげたやつ。
「わけ分かんね。」
ホントにわけ分かんねぇ。
俺の事嫌いならピンもストラップも捨てればいい話。
「あの子じゃないならどんな子がタイプなんだよ?」
「さあな。俺、女に興味ねぇし。」
まぁ、顔立ちはいいしスタイルだって痩せ気味か?足はスラっとしてるし。
色白だしな。
「両親同士仲いいんじゃなかった?」
「あぁ。」
仲が良すぎる。
家に遊びに行ったりしてる。
家族旅行もいつでも一緒だしな。
「まぁ、面白そうだね。」
アイツの笑顔はあんなんじゃねぇ。
無理矢理作ってる笑顔。

あの約束の事なんて
もう忘れてんだろうな。