可南子は小学校を卒業すると、東京の中高一貫校のミッションスクールへ進むことが決まっていた。
交換日記にその事を書こうかと思ったが、やっぱりちゃんと目を見て想太に伝えることに決めた。


「想ちゃん、私ね、中学校は、東京の学校に行くことになってるの・・・
だから、来月には想ちゃんと別れなきゃならない・・・」


可南子は、本当は東京になんて行きたくなかった。
福岡を離れるのも嫌だったし、何より想太に会えなくなることがたまらなく辛かった。


「可南子は、それでいいの?
俺達、こんな風に会えなくなるんだよ。
俺は、いやだ。

なんで東京の学校なんかに行かなきゃなんないんだよ。」



「私だって、行きたくない・・・
でも、もう、決まってることなの・・・

昔から、うちの女の子は中学になったらそこの学校に行くって。」


想太は分かっていた。
可南子の両親が、二人を引き離すために可南子を遠い学校へ追いやるのだと・・・