「そしたら、可南子がバイキングのマナーを教えてくれたんだよな。

自分でお皿に載せた食べ物は絶対食べきること。
食べれないなら、少しづつお皿に載せることって」


可南子はもうそれ以上は聞きたくなくて、夢中で食べてるふりをした。


「すると俺達と一緒に食べていた宮内先生も、実は、山のように残してた。
可南子に睨まれた先生は、俺達に最後までちゃんと食べるぞって言って、お腹いっぱいで死にそうだった俺達は泣きながら食べたんだ・・・

もちろん、先生も一緒に泣きながら食べてた」


可南子は、綺麗に自分の取り皿の分はたいらげた。


「あれ以来、可南子は、可南子先生って言われるようになった。
宮内先生は、宮内君ってね・・・」


想太はそう言って笑い出した。
可南子はやっぱり全然変わっていない。
想太の中の可南子は、いつでも想太の教育係だった。



「想ちゃん、そんな笑ってるけど、今日も残したら許さないからね」