「可南子が謝ることはないよ。

帰り道が暗くて心配だったから、迎えにきただけだから・・・」


想太は立ち上がり「帰るぞ」と言って、可南子の手を取り歩き出した。


「想ちゃん、私達、もう12歳じゃないのよ。

それぞれの生活もあるし、もう、子供じゃない。

きっと、想ちゃんに見えてるのは、今の私じゃなくて、昔の子供の私・・・」



「違う」


可南子が言い終わらないうちに、想太がさえぎって言った。


「違う。
そんな事くらい分かってる」


その後は二人とも黙ったまま、ただ、歩いた。
可南子の家の前に着いた時に、想太は繋いでいた手をそっと離した。


「想ちゃん、今日はありがとう。
それと、ごめんね・・・

LINEもできなかったね」


可南子がそう言うと、想太は可南子を引き寄せて強く抱きしめた。


「可南子の方から、俺とつき合いたいって絶対言わせてやるからな。

想ちゃんがいなきゃ生きていけないって、絶対、言わせてやる・・・」