「バイクの後ろに、まだ女の子は乗っけたことはないよ。
バイクは、俺一人の世界だから。

こいつとなら死ねると思うくらいの人じゃないと、ないね」


可南子は、想太のバイク好きは知っていた。
今でも好きだったなんて思わなかった・・・


「じゃ、彼女は?
います? それとも募集中?」



「今は、いない」



「以前は?」



「以前は、いたよ。
だって、27歳のいい大人だぜ」


だぜ・・・って。
いい大人で偉い部長さんは、だぜは使わないでしょ・・・

可南子は、ぶつぶつ独り言のようにつぶいた。


「じゃ、今までは、どんな女性とつき合ったんですか?」


美咲は、想太にしつこく聞いてくる。


「色々な女性。
基本、俺は、つき合ってって言われればつき合う人間だから。

みんな、可愛い子ばっかりだよ」


想太は、最低最悪なモテモテイケメン男に成り下がっていた。