「松井想太君だね。

可南子は出てこれないよ。
可南子はね・・・
可南子は、君と違って忙しいんだ。
勉強もしなきゃいけないし、学ばないといけないことがたくさんある。

それと、こんな時間に家を出てくるような子と遊ばせるわけにはいかない。

分かるね?
可南子は、君と一緒に遊ぶような子じゃないんだ」


想太はこういう事には慣れていた。

親がいないというだけで、大人は想太を受け入れようとしなかったから・・・

でも、可南子は別だ。
大人がどんな理由を並べて俺達を引き裂こうとしても、絶対に負けるもんか・・・

想太は、悔しくて悔しくて泣きながら走って帰った。


「大人になったら、絶対に金持ちになってやる」と叫びながら・・・