「失礼します。
遅れて、ごめんなさいね」


応接室でしばらく待っていた可南子達の元へ、シスターが二人、笑顔で入ってきた。
想太と可南子は立ち上がり、可南子がすぐに挨拶をした。


「お久しぶりです。
今日は、忙しいところ、私達のために時間を割いてくださりありがとうございます」


想太も可南子と一緒に一礼をした。


「どうぞ、お座りください」


そう言ってくれたのは、可南子の中学の時の担任のシスター田中だった。
真奈の話では、この四月から教頭先生になったということだ。

そして、もう一人のシスターは今でも変わらずに綺麗な堀先生だった。


「あの、私の婚約者を紹介します。

柿谷想太さんと言います」


想太は立ち上がり、緊張した面持ちで丁寧に会釈をした。


「可南子さんとは、いつ以来かしら?」


田中先生が聞いてきた。


「はい、大学の卒業式ぶりだと思います」



「綺麗になったわね・・・」


堀先生は嬉しそうに可南子を見ていた。