想太は、それを聞いただけでシスター堀を大好きになった。
その頃に可南子の周りに優しい大人がいてくれたことが、本当に嬉しかった。


「シスター堀は、実は、その頃はまだシスターになったばかりの若い先生だった。
あの頃で、きっと20歳くらいだったのかな。

だから、先生でもありお姉さんでもあったの。

堀先生のおかげで、私はあの時期を乗り越えられたんだと思う・・・」


想太は話をする可南子の隣に座って可南子の手を握った。


「本当に、ごめんな・・・」



「想ちゃんが謝ることじゃない。
だって、それはお互いさまだから・・・

私が苦しんでた時期は想ちゃんも苦しんでた・・・

誰も悪くないもの・・・」



可南子は、うすうす感じていた。
きっと、私も想ちゃんもこの事柄だけは、中々、整理ができないことを。
時間がきっと、解決してくれる・・・

二人が幸せになれば、この小さなしこりもいつかは消えてなくなるだろう・・・