「ただいま~」


想太は、思いのほか早い時間に家に帰ってこれた。


「おかえりなさい」


可南子は嬉しそうに出迎えた。
真奈達が帰った後、想太は出張が続き東京に戻ってからも仕事が忙しかった。
昨日までの想太は、家に帰ってきてシャワーも浴びずに寝てしまう日がほとんどだった。

今夜の想太は、先にシャワーを浴びてそれからゆっくりくつろいだ。
可南子は、そんな想太にアイスコーヒーを入れて渡した。


「あ~、なんか、こんなゆっくりするの久しぶりだ~」



「最近、忙しいもんね、想ちゃん・・・」



「そうだ。
可南子と話さなきゃと思ってたことがあったんだ。

この間、真奈が話してたこと。
堀先生って人の話」


可南子は嬉しかった。
シスター堀の事を、可南子も想太と話したいとずっと思っていたから・・・


「そうなの・・・

想ちゃん、ちょっとつき合ってくれるかな?」