瀬戸は想太を見て、実際、面倒くさいと思っていた。
可南子から一通り二人の話は聞いたけれど、想太へ対する気持ちにはまだ整理がついていなかったからだ。


「瀬戸さん、もし、良かったらちょっと飲みませんか?」


想太は可南子に釘を刺されていたけれど、それでも瀬戸と会って話がしたいと思っていた。


「今からですか?」



「はい」


ぎこちない空気が漂う中、瀬戸はしょうがなく了承した。

想太はこの通り沿いにある居酒屋に先に入り、席を確保して瀬戸を呼んだ。

想太はいざ瀬戸を誘ったものの、どこまで話すべきか悩んでしまった。
後で可南子が聞いたら、また、機嫌が悪くなるかもしれない。

それでも、想太は瀬戸に可南子と結婚することだけは自分の口から伝えたかった。
何となくですましたくはない。


瀬戸のためにも、はっきりと伝えることがベストだと思っていたから・・・