「俺、もう一度、瀬戸とちゃんと話そうと思ってるんだ。

あいつは、まだ、可南子に未練がありそうだったから、俺たちの結婚までのいきさつを話すべきなのかなと思ってる」


可南子は冷静を装って頷いてはみたものの、心の中ではかなり動揺していた。


「俺の方から話した方がいいだろ？」


想太は、男気に満ち溢れている。
相手が男となるとなんでこんなに保護欲が出てくるのか、可南子は単純な男の心理状態にため息をついた。


「う～ん、大丈夫だよ」



「何が？」



「想ちゃんから話さなくていい・・・」



「なんで？」


可南子はどう見ても慌てている。
いくら鈍感な想太でも、それは見れば分かった。


「大丈夫・・・
私の方から話すから・・・

と、いうより・・・
もう、私の方から話したんだ。

ごめん、この間、二人で会ってちゃんと話したの」