可南子は、まだ黙っている。
「可南子、なんか言ってくれよ・・・」
想太は、急に不安になってきた。
抱きしめた先にある可南子の顔が見えなかったから・・・
「私も想ちゃんと結婚したかった・・・
ずっと、ずっと、夢に見てた・・・
それは、子供の頃の可南子も、今の可南子も一緒だよ・・・」
可南子はそう言うと、涙で濡れた顔で想太にキスをした。
「本当なのかな・・・
会いたくて、会いたくて、でも、会えなかった想ちゃんにプロポーズされてるなんて・・・」
想太はこの幸せに溺れてしまいそうだった。
幸せというものに慣れていない分、胸が苦しい。
「可南子、幸せになろう・・・
ううん、俺に幸せの良さを教えてくれよ・・・」
想太はまた可南子を強く抱きしめた。
もう何があっても絶対に離さないと、心に誓いながら・・・