美咲は、絶対に可南子と想太の間には何かあると思いながらエレベーターに乗っていた。
今夜、可南子に教えてもらわなきゃ割りに合わない。

部長と瀬戸修二。

美咲からすれば、二人ともイケメンで大人の男である。
美咲はちょっとワクワクしながら、13階へと向かった。

開発事業部は、勤務時間を過ぎているのにたくさんの人が残っていた。
美咲は、開いているドアの隙間から中を覗いてみた。
すると、開発事業部の部長と話をしている想太が見えた。
その後に、もう一度フロアを見渡した。


大丈夫、瀬戸さんはいない・・・


美咲は急いで自分のオフィスに戻ろうとエレベーターに向かった。


「あれ? 美咲ちゃんじゃない?」


美咲が振り返るとそこには瀬戸が立っていた。


「あ、瀬戸さん、久しぶりです」


美咲は部長と瀬戸が鉢合わせをするのを恐れて、瀬戸を廊下の奥へ呼び込んだ。


「うん? 何か用事?」



「あ、瀬戸さん、今、職場に行かない方がいいかもです・・・」