「柚子ちゃん、ごめんね。今から事務所行かないといけなくなったの」


「そうなんですか、大変ですね……」


「帰り柚子ちゃん1人だけど大丈夫?」


「私は大丈夫ですので、早く事務所行ってください」


「本当にごめんね。また連絡するね」



通りかかったタクシーを捕まえて乗り、手を振っている莉子さん。


莉子さんに振り返しているとタクシーが動き出し、さっき通った道の方に行った。



「さて、私も帰ろう」



イヤフォンを耳にして音楽を聴きながら、駅の方に歩いた。



頭の中は今日の余韻に浸りながらーー。