翌日



優の墓の前で

「優…ごめんなさい
私を育ててくれたのは、優の両親よね?
昨日…夢でやっと、思い出したの
私のせいで、優の両親が死んで……
私…あなたにどう償えばいいか
ずっと考えていたの、寝れなかったわ
だって…
償いたいのに、優はいないんだもの
優…いつでも会いに来てね
幽霊だっていい!夢でもいい!!
私は、これからもあなたの妹だから
優お姉ちゃん」


依里は、泣きながら、墓を擦り

そう言った

依里が生まれてから、優が……

だから、あんなに依里を大事に……


「優!!すまなかった……
ひとりで死なせてしまって……
依里と、見舞いに来るべきだったのに」

「優さんが望んだことでしょう?
わかっていたんでしょうね
永くないと…
元気にやってると、依里様に思って貰いたかったんでしょう
昨日まで、その願いを叶えたんだから
良いことしましたよ
依里様にも会えて、喜んで成仏しますね」


多津の言葉に救われた


墓を擦りながら、依里がまた話始めた


「私…優の言ってた通り丈夫なの
目が見えなくても、耳が聞こえなくても
私くらい丈夫なお子を産むわ!!」


言い終わって、振り返る


「慶喜様… 歳三は、大丈夫かしら?」

「どうにかやってるよ」

「聞こえませんって」


多津に突っ込まれるのに慣れた


〝どうにかげんきにやってる〟


「そう……歳三にも会いたい
歳三は、私のこと知ってる?」

〝○〟

「行っちゃダメ?」

突然行くのもなんだな……

あぁ…行かなくても、明後日くる


〝あさって しごとでくる〟


「会わせてね!!」

〝○〟

「優!!私が歳三を元気にするからね!!」



泣き顔が、にっこり笑顔になってから

城へ帰った


依里は、強いな


母だからか?


城についてから、多津が言った

「ここは、歩けますから、慶喜様がお部屋にお連れして下さい」


多津は、きっと依里だけじゃ駄目だ

俺にも強くなれと言っているのだろう


依里の手をひき歩く


嫁入りで、祝福されながら歩いた日のこと


思い出し笑った


「いつも、そうして笑って下さい
雰囲気が依里様に伝わりますから」



見ると依里も笑っていた