「歳三…平助と一は、殺さないで…」


急に何を…

「御陵衛士になっても、昔からの仲間でしょ?
お願い…
芹沢の時みたいに…
私に嘘つかないで…
約束してよ」


気づいてたのか…


「約束する
平助と斎藤は、殺さない」


誓いを込め、依里の唇に自分の唇を重ねた


「また来るね」


「帰らなきゃ駄目なのかよ」


「私を信じてくれてるの
桂さんは、いつも眠らずに待ってる
心配しているから、早く帰らなきゃ」


依里が俺の頬に手を添えた


「わからないの…
この気持ちが、私のか、優のか
胸の高鳴りが、どちらのか…
でも…
確実にわかる…
歳三は、優のだよ」


「優は、お前の中なんだろ?
だったら、俺はお前のなんじゃねぇか?」


ムリヤリだと自覚している


「そうなら…いいのに…」


その言葉を残して

帰って行った


想い合っているのに、なんで逃げる

俺は、師匠でしかねえのか?