~依里~


すっかり、慣れ親しむ

優里を安心して任せている

皆、代わる代わるに面倒を見てくれる


皆、子守りが上手になった



「いつも、ありがとうございます
桜が皆さんのおかげで、よく笑います」


本当によく笑う









「あ!お前……新選組にいた女だろ!!」


私を知っているらしい

回りがざわつく

桂や高杉も騒ぎで駆けつけた


「桂さん!!この女!新選組にいました!」


「だから?」


「え?間者かもしれません!!」

「それは、ない!!
皆が、よくわかっていることだ!!
毎日毎日、よく働いてくれている
お前たちは、当番でやっていた
小桃は、一人で全部やっている
一度も不満を言わず
ここの人が、大好きだと言ってくれた
それに…… 小桃は、俺が連れて来た
小桃になにかしたら、俺が許さない!」


「俺も、許さないよ
知らないだろうけど
小桃は、ほとんど寝てないんだ
俺と桂さんに気をつかって
桜が夜泣きしないように、しているから
キツいだろうに、仕事は一生懸命だ
前に新選組にいたのかもしれないけど
今は、ここにいる!!
少しでも、間者のように振る舞ったことがあるか?」




優里を抱き

その場に座り込む


二人が味方をしてくれて、嬉しかった

この二人に迷惑かけたくない


「幕府に追われてて……
桂さんに拾って貰ったの……
ごめんなさい
ご迷惑なら、私を切り捨てて構わない
だけど……
この子だけは、生かして貰えませんか?
お願いします」



「小桃!!腹減った!!」

「うん!!腹減った!!」

次々に腹ペコを訴える

「夕餉まで、ずいぶんありますけど…
というか……」

私が作っていいの?


心の中で、疑問に思う


そして、その疑問を言葉にする


「私は、新選組にいたんだよ?」

「小桃… 欲張りになっていいんだ」


高杉…


「ここにいたいと、言ってくれ」


桂…














「迷惑かけたくないよ」












涙が溢れた


「迷惑かけてくれよ!小桃が笑ったとこ
見たいんだ」

「飯炊き手伝う!!」

「俺も!!」

「桜の子守りもするから!!」

「小桃…」












「私……行くとこなくて……
ここにいてもいいかなぁ?」