女の子は竹刀を持ち真剣な表情で構えるとまるで呪文のように口を動かし何かを呟いていたあと目の奥が光った。
負けず嫌いのバカ弟の目に似てるわねー。
遠目から感じるその女の子から殺気だす気配にただならぬモノを感じくぎいるようにみる。
普段のお祖父様もいくら看板狙われたからったガチでムキになるほど浅はかな人ではないのに今は突然現れた道場破りの女の子と面と向かい竹刀をあわせている。
―――何かとてつもないモノが今から始まる……。
私の頭の中をシューベルトの『魔王』が鳴り響き恐ろしい胸騒ぎだけが嵐のようにやまない。
ドイツの詩人ゲーテによる同名の詩『魔王』から採られたもので息子が高熱にうなされ、幻聴に襲われる。風に吹かれた枯れた葉や木々が、まるで魔王の囁きに聴こえるのだ。息子は結局途中で息絶えてしまう。

