部屋に入って荷物を置き、ソファに座ると保は扉という扉をガチャガチャあけ始めた。
「保…何やってんの。早くシャワー浴びてきてよ」
「一緒にはいろーぜ。」
「は?やだよ」
「なんでだよ?」
「男と一緒に入った事ないし。」
「マジか‼︎じゃあ余計一緒にはいろーぜ。」
「…なんでそうなんの?
やだって言ってんじゃん。」
「二人で初めての事したい。」
「は?」
「りょうは、SEXした事あるから初めてじゃないんだろ?
んで、風呂には一緒に入った事がない。
なら、りょうの初めてじゃん。
俺に頂戴よ。」
保は、ふんわり笑って私の頭を撫でた。
この時の保の笑顔。今でも鮮明に覚えてる。
「…った。」
「ん?なんつった?」
「わかったって言ってんの。」
「…、ありがとな。」
ただ、一緒にお風呂に入るだけなのに。
それだけなのに、ありがとうなんて言う保は意味がわからなかった。
