くすっと笑った矢嶋は、「入って入って」と、千紗を中へとうながした。


「お邪魔します……」


ものが少ないからといって、相変わらず綺麗に片付いている部屋。

今日はこの間と違って少しだけ余裕を持てる自分がいた。

それでも、「彼のことが気になる、というか好き……なのかな」そう自覚した後だから、ドキドキはしてしまう。


「座って、座って。もうすぐお湯、沸くから」


楽しみだな、と言って矢嶋は嬉しそうに笑っていた。