「思い出って音楽と一緒に混ざると、上書きされていくよね」 彼の言葉に、千紗は思わず、ハッとする。 あれっ。 それ、この間、カナタさんも言っていた気がする。 あたしのメールが読まれた時……。 勘違い、かな。 千紗は、じっと彼の方を見つめた。 彼のワケない。 だって、カナタってラジオしか仕事していないらしいけど、一応芸能人、なんだよ? こんな狭いマンションに住んでいて、あたしなんかと会話してるはずがない。