そして、そこには千紗も大好きな「キャロル」のCDも何枚か並んでいる。
インディーズの頃のもあるのが、なんだか嬉しい。
「そういえば、知ってます?
キャロルのビビアンって曲。
実はボーカルの人が飼ってる、猫の名前なんですよね。でも歌詞は恋の歌で……」
千紗がそう言って振り返ると、矢嶋はなんだか切なそうな顔を浮かべていた。
「……矢嶋さんも、この曲に何か思い出とかあるんですか?」
あまりにも彼の目が寂しそうだったから、千紗は思わずそう聞いてしまう。
すると、矢嶋は「うーん」と少し考えてから、頷いた。

