矢嶋さん――。

久志と別れてから、男の人なんて興味が持てなかったけれど。

唯一気になる存在の彼。


でも、「ただのお隣さん」

 
距離が縮まることなんてないと思っていた。

 
ある日。


 



彼から連絡が会ったのは、土曜の夕方。

スマホへショートメールが入った。


『美味しい「北海道産のいくら」食べませんか? この間の宅配のお礼です』


のんきに鼻歌を歌いながら、部屋でゴロゴロしている時だった。

千紗は思わず、スマホの画面を二度見する。