『本当に申し訳ないんだけど、その荷物預かってもらえないかな?』 「荷物……ですか?」 千紗がそういうと、宅配業者の男が、持っていた小さな段ボールを片手に見せた。 『ほんっと、申し訳ないんだけど、それ、ナマモノらしくて。 僕、仕事で全然タイミング合わなくて、受け取れそうにないんだ』 彼はそう言うと、もう一度「ごめん、不躾だよね」と謝った。 「いいですよ、分かりました」 すんなり承諾した千紗に、少し驚いたのだろうか。 『えっ、ほんとに?! 助かったー』 と、大げさに喜んでいた。