そう、耳に残っていたのは、彼が最後に発したその言葉だった。
語尾が疑問形になっているような、甘く優しい言い方。
それは、毎日聞いてる、ラジオのカナタの話し方と同じなのだ。
偶然、よね。
カナタの声が好きすぎて、ちょっと似てるからって、過敏に反応しすぎよね。
もしかしたら、彼もカナタのファンで、話し方、似せてるのかもしれないし。
考えすぎなのは分かっていたけれど。
キャロルが好きで、「ビビアン」が好き。
それにカナタに似ている声。
そんな人がお隣にいるってだけで、少しテンションが上がってしまう。
「いい年してミーハーすぎかな、あたし」
千紗は自分でツッコミを入れながら、またCDを探し始めた。

