嘘ではなかった。 ただ……。 閉まってあるのだ。 クローゼットの奥の方、小さな段ボールに。 久志との思い出が詰まった、色んなものと一緒に。 千紗はなんとなく気まずくなって、「じゃあ、また」そう言うと、その場から立ち去ろうとした。 慌てて向きを変えた千紗の背中の向こうから、彼の声がする。 「ありがと」