今日も千紗は、いつものように映画コーナーを通り過ぎる。 「昨日、かかってた曲、あるかな~」 あいうえお順に並んでいる棚をゆっくりと指でなぞりながら探していると……。 ――ドンっ―― 隣にいた誰かにぶつかってしまった。 「すみません」 千紗は慌てて頭を下げる。