「でも、君に話さなきゃいけないことがあるんだ」


矢嶋はそう言うと、少しだけ、寂しそうに口元だけ笑った。


千紗は、何か言おうと、口を開きかけた時。


――プルルル、プルルル。


テーブルの上に置いた、千紗のスマホが音を立てて鳴った。