「顔色、だいぶいいね」 矢嶋はそう言うと、千紗の横の髪の毛に少し触れた。 不覚にもドキッとしてしまう。 「なにか食べれそう? 美味しいお茶漬けがあるんだけど」 「あの……」 千紗が、なにか言いかけようと口ごもると。 彼はいたずらっぽく笑った。 「イエスって言わないと、鍵、返さないよ?」 そう言って、部屋の中へ手をヒョイッと動かした。