お隣さんはイケボなあなた




次の日、千紗が目を覚ますと、矢嶋の姿はなかった。

その代わりテーブルに1枚のメモが置いてあった。


――起きたら顔出して。鍵、持ってるから――


右上がりの、細い綺麗な字。

男の人の荒々しさより、柔らかい雰囲気の字だった。

鍵……。

ああ、そうか。

開けっ放しで出て行くわけにも行かなかったのね。

どこまでも優しくて律儀な人だ。

そう思うと、千紗は、なんだか笑ってしまう。