「大丈夫か? 顔色悪いぞ?」


隣の席の加藤が、顔を覗き込んでくる。


「大丈夫……です」

「大阪の奴らが来て緊張したか? これからどんどん連携取って企画進めなきゃいけないからな。藤永もしっかり補佐してくれよな」

「はい、分かってます」


返事をしっかりしてるつもりだが、どうしても力が入らない。

会議の間中、久志がチラチラと千紗の方を見てくるせいか、メモした内容も頭にちゃんと入ってきていない。