時折、彼の口ずさんだ鼻歌が聞こえてきて、ドキッとしたけれど。 とにかく、彼は、千紗が話し始めるのを待っていてくれた。 斎藤課長のこと。 噂のこと。 それに、今日の出来事。 少しずつ話す千紗に、矢嶋は、相槌を打ちながら、耳を傾けていた。 「もう、しんどくなっちゃって……」 そう言葉に出して言うと、思わず泣きそうになってしまう。 自分がこんなに溜め込んでいたんだと気づくと、どんどん感情が溢れていくみたいだった。