遠くで車のクラクションの音が響いている。

こんな時間でも、公園にはジョギングやウォーキングをしている人が数人いた。

空気は澄んでいて、見上げるビルの灯りも綺麗だった。

けれども、千紗の心は全く晴れない。

しぼんで小さく丸まって潰されたような感覚だ。

もうあれから嫌というほどため息をついたせいか、乾燥しすぎて喉も痛い気がする。

さっきの出来事が、どうしても自分の中で消化できずにいた。

仕事のためとはいえ、そんな扱いを受けて、耐えなきゃいけないんだろうか。

営業課っていつもそんなことばっかりなんだろうか。

そんなの、あたしにできる?

千紗は、何度も自分に問いかけた。