お隣さんはイケボなあなた


完璧なセクハラだ。

それに斎藤課長が気づいていたかどうかまでは、わからない。

だが、我慢ができなかったのだ。


「怒ってるよね……」


もしこれで、相手が取り引きしない、とでも言い出したら、どうしたらいいのだろうか。

誤って済む問題ではない気がする。

千紗は鏡の中の自分を覗きこむ。

血の気はなく、顔面蒼白。

まるで、大泣きでもしたかのような顔をしていた。