お隣さんはイケボなあなた


洗面所へ向かう。

途中、店員がタオルを渡してくれたが、恥ずかしくて顔を上げれなかった。

1人になって思わず、涙が溢れてきてしまう。


「粗相のないようにしてね」


行く前からさんざん言われたことだった。

今日は、大事な取引先との接待だから。

と、斎藤課長に連れて行かれたのは高級レストラン。

途中までは愛想よく笑って相槌を打てていたのだけれど。

相手の男が、隣に座った千紗の膝や肩に、何度も触れて来て。

それも、かなり我慢したと思う。

だけれど、膝から太腿の方へ、手で撫でられて、思わず、払いのけて立ち上がってしまったのだ。