ブッー、ブッー。
スマホが、バイブした。
思わず、矢嶋かと思って、慌ててスマホのロックを解除する。
だがそこにあった名前は、同じ部署の加藤だった。
しかも明日の資料のパスワードを教えてくれ、といった内容だった。
「なんで自分でメモらないかなぁ。メモってもそのメモ無くしてるしなぁ……」
千紗は、足元にあった鞄から手帳を取り出すと、メールを返信する。
ぽんっと布団の上に、スマホを放った。
「んもう、矢嶋さんの、バカッ」
これは八つ当たりだ。
そんなことは分かってる。
けれども、連絡くらいくれてもいいじゃない。
なんだか拗ねたくなる夜だった。

