「なんだか、お寿司食べたくなっちゃったなー、千紗ちゃんのせいで」 「あたしのせいですか?!」 喫茶店に入ってからも、そんな風にからかってくるから、千紗は思わずふくれながら呟く。 「それなら今度、美味しいお寿司屋さん、連れてってください」 ちょっとだけ出した勇気だった。 また一緒にどこかに行きたい。 そう言ったようなものだから。 「廻らないお寿司ね、オッケー」 「ほんとですかっ?!」 千紗の喜びように、矢嶋は、またくすくす笑っている。