千紗は、彼女のデスクがピンクのキラキラでデコられていても、語尾が伸びる話し方をしていても、極力気にしないようにしている。 笹野のいうとおり、影でコソコソ悪口を言うような女より、こういうキャラの子のほうが、好感が持てるからだ。 「んもぅ、藤永さん、いつも誘っても来てくれないんですからぁ」 祥子は口を尖らせて拗ねたフリをする。 別に彼女が嫌だから、断っているんじゃない。 そう、ちゃんと早く帰らなきゃいけない理由があるのだ。