あの日は、家まで……といっても、同じマンションだが。 送ってもらって、そのままお開きとなった。 次回の約束もできずに。 色々突っ込みたいこともあったけれど、言えなかった。 デートって言ってくれたのは、冗談ですか? それとも少しは期待していいんですか? 彼女はいるんですか? あたしのこと、どう思ってますか? ――もうこれ、矢嶋さんのことを好きってことじゃん。 頭に浮かんだ言葉を全部並べてみて、千紗はそう思った。