電車で移動するものだと、勝手に思い込んでた千紗は、びっくりする。 それに、久志は、車なんて持ってなかったから……。 急に心拍数が上がって、ドキドキしてしまう。 助手席のドアをゆっくり開けると、彼は、相変わらず、余裕の笑みを浮かべていた。 それでも緊張してしまうのは、彼がいつもと違ってメガネをかけているからだろうか。 なんだか、大人の男性に見えた。 「どうしたの? 乗って乗って」 こんなのデートみたいで、もう、反則だよ。 千紗は、大きく深呼吸して、車に乗り込んだ。