けれども、スカートといったら、職場に履いていくようなリクルート系のスーツしかなくて。 ああ、こんなんなら、もっと可愛らしい格好も研究しとくんだったな。 千紗は、鏡の前で何周かして、結局、そのままで出かけることにした。 マンションの表を出て、左右を見渡すと、プッとクラクションが鳴らされる。 そちらを見ると、黒い四駆が止まっていた。 中をよく見ると、矢嶋が片手を上げている。 「車……」