暗い廊下に出ると嗅ぎなれた匂いがした。多分、血の匂い。

 
 「鍵……開いてる…」


 いつもは閉まっている鍵が開いていた。きっと窓を赤く染めた人が開けたのだろう。私はドアノブを回してドアを開けた。


 不思議と恐怖は感じなかった。