殺人鬼と私


 「じゃあ……その綺麗な目は誰譲りなんですか?」


 ロムスが一旦歩くのをやめる。そしてその場にあった適当な石に腰かける。


 「私の目?これは…………」


 あれ……?なんでだろう……思い……出せない……。思い出そうとすると頭を鈍器で殴られたかのような痛みがする。思い出すことを拒絶してるみたい。


 「ごめんなさい……わからない」


 「そうなんですか。まぁよくあることですよね」

 
 ロムスは私のことを読んだかのようにそう言って薄く微笑んだ。


 (また……笑った)