「お別れはすみましたか?」


 「えぇ」

 
 「なら行きましょう」


 彼は微笑んでドアを開けた。その目には輝く光があった。目をひかれる光があった。

 
 私はナイフをハンカチにくるんでバッグに入れた。


 旅がはじまる。