「刺すの?」 「はい。でも1つだけ条件があります。『刺すのは一度だけ』じゃあ刺してみてください。何でもいいので」 男の子は机の上にしゃがみこむとニコニコ笑顔で私を見ている。楽しんでいるみたい。何でもいいのならこの子を刺してもいいのかな。 (人殺しは…だめ) 脳裏に浮かんだ考えを振り払うために頭をふってみる。すると男の子が声をかけてきた。