殺人鬼と私


 「人売り…?」


 管理の人の机を見ると血で染まった書類があった。かろうじて読める。

 その書類には、私と友達の名前があった。

 
 「そうだったんだ……」

 
 何とも思わなかった。そんな私の様子を見て男の子が不思議そうに首を傾げる。様子がおかしいと思ったのだろうか。でも管理の人ならやりそうなこと。別に売られてもいい。だって皆も一緒だもの。


 「お嬢さん、これどうぞ」


 彼が何を思ったのかすっかり血の固まったナイフを渡してきた。