「おぉ……素晴らしい赤。これこそ僕の探し求めていた赤です……」

 
 男の子の手が私の頬をそっとなでる。手は恐ろしいほどに冷たかった。でも、そんなことはどうでもいいの。男の子は私の目を見てうっとりとした表情を浮かべている。


 「私の目がどうかしたの?」


 「あぁ、失礼。あまりにも美しい赤でしたのでつい」


 頬から手を離されると、触れられていたところはあっという間に体温を取り戻す。この子、何者?