「それでねー!」
「おーい、出席とるぞー。自席に座れー。」
ガラガラと教室の扉を開けるといつも通りダルそうに入ってくる先生。何人かの名前を言っていく。
「えー、九条」
「ん?九条いないのk…」
「キャー!っと!セーフ!」
バンっと扉を払ってキキィーっと音をたてながらポーズをとる少女。
「セーフ!じゃねーよ。またかよおい。」
「あ!先生!セーフですよね?セーフですよね?!」
胸の前で手を合わせ、祈るような形で必死にセーフを確認する。
「セーフじゃないが、めんどくさい。セーフにしておこう。」
パアアっと少女の顔が晴れる。そうだ、こっちも大事な事を忘れていた。少女の紹介をしていない。少女の名は『九条 桜空(くじょう さら)』。高校二年生、十七歳。
「ありがとうございます!先生!」
非常に明るい性格…。今は…ね。
「毎日毎日これじゃあこっちも困るんだぞ。」
「え!?先生困ってたんですか?!てか、困ってる事ってあったんですか?!」
「お前なぁ…。」
先生のやる気のなさに便乗し、そんなことをいう桜空。それに対し呆れ顔の先生。こんな不可逆の時の流れにフリーダムにのる桜空。こんな日常。桜空のフリーダムさでみんなも桜空も常に笑顔。その笑顔は枯れることはない。不可逆の時の流れが異常を起こさなければ、、、人間という生き物が、問題を起こさなければ。。。
「…今日の予定はざっとこんな所だな。よし。九条、今まで先生が何について話していたか、いってみろ。」
「へっ?!え、えーっと、、、なんでしたっけ?w」ふ
「お前なぁ…なんでしたっけ?wじゃねーだろ。後で職員室来いな。反省文しっかり書いてもらからな」
「はん…せい…ぶん…だと?!私の辞書にそんな言葉は載っていない!!」
桜空は机をバンと叩いて半分ふざけていう。
「それはお前の脳内の話だろ?」
クラス中に笑い声が響く。桜空も「えへっ」と、恥ずかしそうにそっと座った。恥ずかしいけど脳内は今でも笑いをとるような事を考えている。もちろんふざけて生きている訳じゃない。何にも真面目で、全力だ。ただ、少しの楽しみをとるためにこんな様になっているだけ。それが桜空の考え。このまま楽しい日々が続いてればいい。それで日常が過ぎていくだけだった。