「私なんて……。」
天音は泣き崩れた。自分のコトが嫌になっていく。
「最悪……グスッ。」
強い風が吹きカーテンが膨らむ。泣いている天音を叩きつける。静かな教室が冷たい空気に包まれる。
「その気持ち、いつからでございますか?」
「!!」
窓を見ると一匹の執事の様なウサギが座っていた。
「その気持ちに、なる前に戻して致します。やり直しが聞きますでしょう?」
「やめて!グズッ。なんかのドッキリ!?ふざけないで!グズッ。」
ウサギはウンザリした顔で大きな懐中時計を天音に見せた。
「こっちは本気です。これでタイムスリップ致しませんか?」
「でき……るの?」
「ええ。もちろんでございます!」
天音は泣くのをやめ、ウサギに言った。
「一か八か、やらせて!!」
「かしこまりました。天音お嬢様。」